監修:田地野 彰
名古屋外国語大学教授。京都大学名誉教授。言語学博士(Ph.D.)。一般社団法人大学英語教育学会理事(副会長)。英語教育分野における代表的国際誌 ELT Journal (英国オックスフォード大学出版会)の編集委員をはじめ、これまで、NHKテレビ語学番組 Eテレ「基礎英語ミニ」の監修やNHKラジオテキスト「基礎英語1」にて「あたらしい英語の教科書」コーナーの連載などを担当。
著書・論文は、『<意味順>英作文のすすめ』(岩波ジュニア新書、2011)やA New Approach to English Pedagogical Grammar: The Order of Meanings (編集:Routledge, U.K. 2018)など多数。
現在は、大学だけでなく、小学校や中学校、高等学校の生徒や先生方を対象とした講演会・研究会などで講師も務める。
英語って、こんなに簡単だったんだ!
たった1つのパターンで英語を表現できる!
「意味順」って何?
英語には「語句の順序が変わると、意味も変わる」という特徴があります。ですから、英語では語句の順序をマスターすることがとても重要なのです。意味の観点から英文をとらえると、実は英文は基本的には「意味のまとまりの順序」から成り立っていることがわかります。これを「意味順」と呼びます。
「学校指導用」教材
学校でご活用いただける教材にするために、高校の先生のご意見をいただきながら教材の構成を考えました。
各UNITは、以下の3つのパートに分けており、段階的に理解が深まるようにしています。
たった1つのパターンで
英文は基本的には、「だれが」「する(です)」「だれ・なに」「どこ」「いつ」 という「意味のまとまりの順序=意味順」から成り立っています。このたった1つのパターンに沿って英語の語句を並べていくだけで英文が作れます。5文型との互換性もあるので文構造の指導に有効です。
最小限の文法用語で
覚えるべき文法用語が多い、またその文法用語の意味がわからなくて英語が嫌いになっている生徒はたくさんいます。「意味順」では、できるだけ難解な文法用語を使わないように努めています。生徒は苦手意識を持つことなく、中学英語をもう一度とらえ直すことができます。
感覚的に英語がわかる
本書の「意味順」BOXに、「意味順」の順序に沿って、まずは日本語を入れていきます。次に、それに適した英語の語句を入れていくだけで、自然と英文が出来上がります。この演習を通して生徒には、英語のしくみやルールが自然と身に付いていきます。さらに、英語が楽しい、使えるという自信が生まれます。
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意味順「実践先生」に聴く 1
―― 御校で「意味順」というのは意外な感じがしました。
偉そうなことを言いますが(笑)、授業の仕方って、授業をする人の目的によって変わると思うんです。私は、生徒に英語を使えるようになってほしいと考えています。だから、中学1年を担当することになったとき、まずは生徒に「意味順」の概念を定着させようと思いました。語順の違いこそが英語と日本語との決定的な差異なので、「意味順」を英文法習得のはじめの一歩にすべきと考えたのです。「意味順」は、日本語から入り「意味順」という概念を通って英語を考えるという仕組み。これがほんとうに素晴らしい。もちろん、英語の力や高い言語能力があれば、自分の言いたいことから直接英語を考えることができるでしょう。でもそれはなかなか難しく、「言語的には大人」な中学生にとって母語を用いた概念や思考を使わないのはもったいないと思います。
―― 「意味順」は低学年向き?
「意味順」で使われる用語などは、中学までの方がなじみやすいとは思います。でも、実際は、複雑な構造の文章を理解させるのに「意味順」がほんとうに役に立ちます。また、産出技能を助ける概念として「意味順」はたいへん優れています。これからの入試ではこの産出技能がますます求められるようになってきます。その時、「和文和訳をして自分の書きたい日本語を書ける日本語にする。そしてそれを意味順BOXに入れて完成」という考え方は、とても有効だと思いますよ。
―― 試験でも面白い出題をされているとか。
某難関大学の出題を参考に、生徒の発想力を試せるライティングの問題を出しています。とはいえまだ中1なので、単語がわからない場合はローマ字でもいいとしていますが(笑)。もちろん英語には単語をはじめ、色々と細かい知識が必要です。でもそれよりももっと先に固めるべきことがあると思うんです。とにかくめざすのは、英語が使えるようになること。そのためには、最初に「意味順」という概念をしっかりと定着させ、それから知識をたくさん与えて、存分に英語を使わせていこうと思っています。
意味順「実践先生」に聴く 2
―― 「意味順」を採り入れてみようと思ったきっかけは?
当時教えていた生徒(前任校:埼玉県立川口青陵高校)の多くは、英語を苦手としていました。そこで、講演で田地野先生から紹介していただいた「意味順」を試してみようかなと思いました。実際にやってみると、「意味順」では難しい言葉が出てこないからか、生徒たちは思いのほか理解してくれたように感じました。
―― 学校を異動されてからは?
1年生の夏休みの課外授業で「意味順」をやってみました。英語への興味・関心が高い生徒たちが、「意味順」に対してどのような反応を示すかは、私自身も興味深かったですね。
やってみると、やはりヨコ軸はスッと理解してくれました。型がはっきりしているので、型を覚えるという効果は大きいと感じましたね。タテ軸に関しては、たとえば「だれが」のBOXだけでも、おさえるべき要素はたくさんありますので、そこは丁寧に解説を補いながら進めていきました。優秀な生徒から「まだ日本語もわかっていないところがあるな」という感想が聞けたことは印象的でしたね。言葉の仕組みについての自覚が芽生えたという点で、ほんとうにやってよかったと思いました。
―― 「意味順」の印象は?
日本語で考えることができる「意味順」は、とても上手に単純化されていると思います。だから、生徒にとってはとても取り組みやすい学習法といえるのではないでしょうか。私が教えた生徒の中でも、英語が苦手だったのに夢中で英語の問題に取り組むようになれた生徒というのは一定数いました。
学校で指導されている先生の中にもきっと「英語で教えるだけでいいのだろうか?」と感じられている方もいらっしゃると思います。そのような先生にはぜひ「意味順」にトライしてもらいたいですね。
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